忍者が身につけていた衣装は?

にんじゃがみにつけていたいしょうは?

 「忍び装束」というものはありませんでした。現代のスパイに制服がないのや、警察(刑事)が事件の捜査をするときに制服を着ないのも同様で、忍者だとわかる服装はしませんでした。戦国時代に戦闘集団として雇われ、城攻めのときなどは甲胄(鎧)に身を固めます。敵地に潜入するときは、いろいろな職業の服装に変装したりもします。
 夜、闇に紛れて忍び入るときの衣装は「黒装束」と思われがちです。しかし、ほんとうは真っ黒だったわけではありません。夜といえども月明かりがあったり、真っ暗ではないので、黒だとかえって輪郭が浮きで出て目立ってしまいました。ほんとうは濃紺色だったのです。「クレ染め」と言われる伊賀、甲賀地方の農民の野良着(仕事着)でした。藍染めで紺色になった上に、クレに浸けます。クレとは、今でも水田の周りや山中などで湧き出るのを見かけることがある赤茶色の少し油の浮いた液体です。鉄分を含んでいるので独特のにおいがします。これで布を染めると、虫やマムシ(毒蛇)避けに効果がありました。アメリカ農民(開拓民)がはいていたジーンズも同じように紺色(インディゴ・ブルー)で、毒蛇のガラガラヘビ避けだったそうです。この濃紺色の野良着に「ほっかぶり」、つまり覆面をしたら、忍び装束になったわけです。当時、最も多かった農民の服装は怪しまれませんでした。忍具についても同じことが言えます。忍者独特の道具や武器を所持していると正体を見破られます。忍び刀や忍者刀といった特殊な武器を忍者が持つことはありませんでした。現代人から見ると特殊な道具にみえますが、当時の農機具や日常生活道具がほとんどだったのです。それらを高い所へ登るときに応用したり、武器に利用する技法が忍術だったのです。
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