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本物の忍者はこの地から生まれた

忍者の活動

情報探索

忍者の任務には、①平時での情報探索・②斥候・③奇襲・④平時(あるいは戦時)での守衛などがある。まず、情報探索のことを述べる。
忍術書の「正忍記」には、山伏や商人など、諸国を巡る人びとの格好で情報を探れ、ということなどが書かれている。史料にはこれを「七方出」(しちほうで)と記している。実際、御庭番の史料には、商人の格好をして情報を探るという例があり(深井雅海『江戸城御庭番』)、「正忍記」も現実味がある記述だと考えられる。

斥候・奇襲

軍隊が進む際に、伏兵がないかどうか、調べるという役割もある。忍者が逆に伏兵となり、奇襲をかけることがあるからである(平山優『戦国の忍び』)。「三河物語」という史料によると、駿河国今川家側が、100人よりも少ない兵で三河国刈谷城に奇襲をかけて、城主を殺害している。少人数で奇襲をかけるが、そのため、安定的に城を支配することはできない。城を平定するには、正規兵が城中になだれ込むのを待つ必要がある。

守衛

江戸時代の忍者は、城や屋敷を守衛するのが主な任務となった。守衛で有名な例が、江戸幕府の伊賀者である。江戸城の大奥御広敷に羽織袴で出勤している(高尾善希『忍者の末裔 江戸城に勤めた伊賀者たち』)。「奇襲を得意とするため、守衛も任せることができる」という見解が、「軍法侍用集」という史料に示されているため、守衛を専任とする忍者を、一概に「形骸化」とするのは短絡的である。忍者は、忍び働きを任務とするという考え方を基本的に残しながら、時代によって変化していったのである。(高尾善希)

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忍者の里 伊賀(三重県伊賀市・名張市)
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