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本物の忍者はこの地から生まれた

忍者の道具

ふさわしいものを

忍者は多様な道具を持っていた。多くの人は「手裏剣」や「苦無」(くない)をイメージするかもしれないが、実際には特定の道具を常に持っていたわけではなく、その状況に応じてベストな道具を使ったとされる。忍術書「万川集海」にも、「敵方の様子をよく考え、工夫し、その状況にふさわしいものを持って行くべき」と書かれている。

「忍び六具」

敵の情報を集めるために遠くへ出かけるときに、よく持って行ったとされるのが「忍び六具」と呼ばれる道具である。顔を隠したり雨よけにしたりする「編笠」、筆記用具として使う「石筆」、高い所に登る「鉤縄」(かぎなわ)、火種として使う「打竹」、薬を入れておく「印籠」(いんろう)、怪我の手当てや変装など多様な用途に使える「手ぬぐい」を携帯していた。長距離の移動となるため、旅の途中で使える便利な道具が必要であったのだろう。

「火器」の多さ

数ある忍者の道具の中でも種類が多いのは、敵の城や家に潜入するための道具である。
「結梯子」(むすびばしご)や「鉤梯子」(かぎばしご)などのその場で作って高い場所を登る「登器」、「水蜘蛛」(みずぐも)や「浮橋」などの堀や川を渡るための「水器」、「しころ」や「くろろ鉤」などの扉のカギを壊したり開けたりする「開器」などがある。中でも特にたくさんの種類があるのは、「松明」(たいまつ)や「大国火矢」(たいこくびや)などの照明や合図、敵陣の放火に使う「火器」であり、「万川集海」には200種類を超える「火器」の作り方や使い方が書かれている。忍者は、火に関する道具を作ることや使うことが得意であったのだろう。(福島嵩仁)

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忍者の里 伊賀(三重県伊賀市・名張市)
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