【写真 西音寺役行者像】
『萬川集海』に登場する11人の忍術名人の忍者である。『伊乱記』によると、鉄砲が得意で、本名は城戸弥兵衛。
天正伊賀乱がほぼ終結し織田信長が伊賀一之宮(敢国神社)の辺りで休息している時に、土橋村の原田杢と印代(いじろ)村の印代判官と音羽村の城戸の3人が密かに忍び寄り、森から大鉄砲にて信長を狙うが、信長は運が強く3人とも打ち損じた。
家来たちはすぐに追ったが、飛ぶ鳥のように逃げ去ったとある。
弥兵衛の墓がある西音寺は、天台真盛宗の寺で、寺内には鎌倉末期の石造五輪塔が完全な形で残り、弥兵衛が生前崇敬していたと伝わる役行者像がある。地元ではこの役行者は、忍者の祖神として崇められていたという。