忍者が発達した薬学文化を持っていたことは、もう皆さんもおわかりのことと思います。
その基礎は、薬草を嗅ぎ分けるすぐれた臭覚にあります。そのため香には敏感でもあったわけです。
つまり、精神をコントロールする手助けを、ビヤクダンやジンコウ、護摩(ごま)などその香りに求めました。薬理効果も実際にあり、今で言うところのアロマテラピーを実践していたのです。
香の十徳・・・鬼神(きしん)を感応させ心身を清浄し、毒を除き、眠気をさまし、独居には友となり、忙中に閑をとらせ、多くとも少しでもそれぞれの用を満たす。
また長く保存しても朽(く)ちず、常用してもむろん差し支えない。