テレビ番組を見ていると、健康をテーマにしたコーナーがよくある。
平均寿命が延び、高齢化が進む日本では、健康への関心が高まるばかりだと言っても過言ではないだろう。
厳しい修行に耐えた忍者の超人的な働きも、人間である以上、健康が基本だ。
それゆえ、忍者は人一倍健康に気を使った。
忍者の健康食は「食」の項にも詳しいが、ここでは忍者の健康法である「導引術」を紹介したい。
「導引」とは、「引導を渡す」の逆、人を生かす術だ。基本は末端を刺激すること。
からだの末端である手や足の先、耳を刺激することで内臓の働きを高める効果があるという。
手は、指の第一関節を回すようにもむ。これが痛いようだと、どこか病んでいる証拠とされる。
手のひらはクルミを二個にぎって中でぐるぐる回して刺激する。耳は両手をこすりあわせて温め、その手でよくもむ。くちゃくちゃにしたり、ひっぱったりするとよい。
足は親指をよく回す。土踏まずは、指圧や青竹踏みをするといい。疲労回復に効果的だ。
体の中心である腹部は、針を用いた。針でツボを刺すわけだが、深さ場所を間違えば、逆に命取りになりかねない。
それだけの知識と腕を忍者はもっていた。
これらは、中国から伝わった医術、漢方が基本になっている。
薬は病気になってから飲むものだが、忍者は病気にならないよう、導引術は簡単にできるものが中心なので、ぜひお試しいただきたい。