忍者は主に夜に活動するため、闇夜に紛れる忍び装束を身につけていた。
現代では黒装束が忍び装束と思われているが、夜といっても真っ暗闇ではないので、黒だとかえって輪郭が浮き出て目立ってしまう。
忍者が忍び装束として着ていたのは、伊賀・甲賀地方の農民が着る、クレ染めと呼ばれる濃紺色の野良着である。当時、一番一般的な服装で、怪しまれないのが農民の野良着だった。野良着ならば、武器にもなる鎌などの農機具を持っても不自然ではないし、しかも軽くて動きやすい。野良着は忍者にとって、格好の忍び装束であった。また、毒ヘビよけ、虫除けにもなり、水をこして飲むのにも利用した。