昔の情報の伝達方法は「人から人へ」が基本で、歩く速度と情報の伝達速度は同じであった。そのため、急いで知らせたい情報は、あらかじめ相手と約束事を決めておいて合図で知らせた。合図には、鐘、太鼓、ドラなど音を使うもの、狼煙を使うもの、旗を使うものなどがあった。
忍者は、情報の伝達速度よりも、第三者に知られずに、確実に仲間だけに情報を伝えることを優先した。そのために、忍者は情報を暗号化した。暗号化の方法として、石を並べて文字を表現する「石置き」、木の枝を折る、米粒を青、黄、赤、黒、紫に染めた五色米をまいて色の組み合わせで知らせる、結んだ縄を軒下にぶら下げ「先に行く」「北に行く」などを結び目の形で知らせる「結縄文字」などがあった。