くまでのような鉄の爪を有する「手甲鉤(てっこうかぎ)」。
堅い土を掘ったり、土塀に穴をあけたりする「苦内(くない)」。
錠前を開ける「さく」など、忍者の武器は用途に合わせて大小多数の種類がある。
護身術1〈相手右手〉
内側から手をつかまれたとき
つかまれた右手首を起点に、人さし指をたてて、内から外へ回して相手の腕をつかむ。
このとき人さし指が、相手の手首の骨に当たるので痛みを感じる。
そのまま親指と人さし指で相手の手首を回転の方向へ思いきりねじ上げ、背面から膝の後ろを押さえつけるように足でけり、かがんだ後頭部にひじ鉄砲。
相手がひるんだ隙に逃げる。
逃げる場合も、狭い路地よりも、角を多く曲がること。
10秒時間があれば、追手には消えたように見える。
※身に危険な場合は他の方法を考えてください。
護身術2〈相手右手〉
外側から手をつかまれたとき
つかまれた右手首を起点に、小指をたてて、内から外へ回して相手の腕を握り込むようにつかむ。
このとき小指が、相手の手首の骨に当たるので痛みを感じる。
そのまま親指と人さし指で相手の手首を回転の方向へ思いきりねじ上げ、背面から膝の後ろを押さえつけるように足でけり、かがんだ後頭部にひじ鉄砲。
相手がひるんだ隙に逃げる。
護身術は相手の意表をつくからとっさのときに有効。
※身に危険な場合は他の方法を考えてください。
護身術3〈相手右手凶器〉
傘など棒状の道具をもっているとき
左手に下げた棒の上端を右手でもち、左手を素早く逆手にもちかえて、後ろから前へはね上げる。
このとき、右手は左の腰あたりで回転の中心になるように棒を支える。少し回転を助けると棒の威力が増す。
相手がひるんだ隙に逃げる。
棒が相手の凶器や手首に当たる、ちょうどの距離に身を置くのがコツ。
現代では傘などがちょうどよい。若干の練習を積む必要がある。
※身に危険な場合は他の方法を考えてください。
護身術4〈相手右手凶器〉
傘など棒状の道具をもっているとき〈展開〉
凶器を落とすところまでは、「護身術3」と同じ。
より相手にダメージが必要な場合、振り下ろした棒で相手の腹を突き上げる。
さらに、右足を相手の背面から足にかけ、棒で胸を押しつけ倒す。
相手がひるんだ隙に逃げる。
※身に危険な場合は他の方法を考えてください。
十文字縄&め潰し
両腕を締め上げる手法。後ろ手に縛り上げた縄が十文字になることによる。
また、目つぶしは、唐辛子、蝦蟇(がま)、石灰、木灰などの粉末を混入して敵の顔面目がけて投げつける。
敵の目を一時妨げることができ、唐辛子の粉末が混入されている場合、まともに受けるとしばらく目を開けていることができなくなる。
※危険ですから、決してまねをしないように願います。
鉤縄(かぎなわ)
先に鉤状のものがついた縄で、相手の腹に引っ掛けて、片腕を後ろ手に縛り、相手の動きを封じる。
このほか敵の足元に投げかけて、足をすくったり、高いところに投げかけてよじのぼる道具として用途は幅広い。
※危険ですから、決してまねをしないように願います。
萬刀(卍刀)
植木職人がもつ大きな剪定鋏を萬刀(まんとう)、あるいは卍刀(まんじとう)といった。
植木職人に変装して、城内に侵入してから使った。
刃を開いて相手の刃を受けたり、ねじり倒したりした。
首の急所にピタリと刃が合う。
※危険ですから、決してまねをしないように願います。
仕込み杖
竹杖に分銅と鎖などを仕込んであり戦いの際、竹刀として使用するほか、侵入用の忍び具として使用。
さらに妖者(ばけもの)の術の中の乳切木(ちぎりぎ)の術として、検問があった場合など、杖を持ったお年寄りにカムフラージュして検問を突破する。
※危険ですから、決してまねをしないように願います。
鉄輪(かなわ)
輪(りん)ともいい、むかしどこの家でも見かけた五徳(ごとく)の足の部分を切り落としたもので、輪の内側と外側を刀のように鋭利にしておく。
2つ1組みを両手で用い「はさむ」「つかむ」「ひっかける」などの作用で、敵の動きを封じる。
軽く扱いやすいため女忍者「くノ一(くのいち)」がよく用いた。
※危険ですから、決してまねをしないように願います。